【実践企業インタビュー】
安次嶺実奈子氏
今回、リモートワーク、オンライン業務を導入されていらっしゃる企業さんへのインタビュー取材として、
一般社団法人 日本パーソナルビジネス協会でパーソナルビジネス経営コーチをされながら、ご実家の家業である近光インテリアの代表をされていらっしゃる安次嶺実奈子さんに、
家業と日本パーソナルビジネス協会のお仕事の両立や、ご家族と過す時間のバランスなどについてインタビューさせて頂きました。
◆ 安次嶺さんは現在どんなお仕事をされていらっしゃいますか?
私は、創業40年のカーテン屋さん「近光インテリア」という会社の2代目として経営をしながら、
日本パーソナルビジネス協会(JPBA)の沖縄支部長として労働時間削減と売上アップを実現する方法を
お伝えする仕事をしております。
◆ 多くの企業が業務のオンライン化を進めてますが、御社ではどの様に取り組まれていますか?
私が沖縄支部長を務める日本パーソナルビジネス協会(JPBA)は、合同会社ミリオンズという会社の5つの事業部のウチのひとつなのですが、
形態的にはそれぞれの事業部に個人事業主がいて、その経営者の集まりが合同会社ミリオンズという会社を構成しております。
JPBAもそうですが、他の部門もリモートワークで業務を行っており、会社で少人数のセミナーを開催するなどオフラインの必要性が無い限り、
出社する事はありません。弊社でのオンライン化の取り組みについては、昨今の世界的変革に伴い、それに対応しているのではなく、
既に創業当初からオンライン上で業務が完結出来るように仕組化されていたので、ありがたい事にコロナの影響を受けずに、これまで通り業務を行う事が出来ています。
また私の場合、JPBAの方が完全にオンライン上で仕事をする事が出来ているので、親から継承した会社との両立が成り立っているという一面もあります。
◆ 御社が普段業務で使うシステムの特徴は何ですか?
オンライン化についてはそれぞれの企業に合ったシステムがあるとは思いますが、
私共の場合は、ミリオンズの社長の「透明性を大切にしたい」との強い意向もあり、
普段は業務管理を行う専用のポータルサイトを介して仕事をしているのですが、
そこでは、社長の考えていること目指す方向性や、社員研修の内容、普段の業務計画から報告書などの提出物や、
各部署の今月の売上から全体の売上に至るまで、社員全員が会社経営に関わる
全ての情報を閲覧する事が出来るんです。
普段顔を合わせて仕事をすることのないリモートワークの場合、
個人個人は結構孤独になりがちだと思うんですが、ウチの管理システムの場合、
直接顔を合わせて仕事をしているよりも、それぞれが今どんな仕事に取り組んでいるとか、
その人の成長の具合まで見えてくるのは凄い刺激になるし、
ひとが見ていない場所で働く際の自制にも繋がっていると思います。
私も会社経営をしているので、その内容は凄く勉強になってますね。
業務管理だけではなく、社員ひとりひとりの経営に参画している意識を高め、
経営者マインドをも同時に育てるというのは大きな特徴じゃないですかね。
◆ 会社を経営しながら別の事業を掛け持たれてますが、どの様に両立されてますか?
確かに私も会社経営しているし家庭をもっているので、2つの仕事をそれぞれ8時間づつで、
1日24時間のうち16時間働くというのは、どう考えても無理ですよね。
ただミリオンズという会社は、1日6時間勤務の週4日でお仕事をしているのですが、その6時間も途中で区切ったり、
働く時間をその日のスケジュールに合わせてスライドする事が出来るし、月間の規定勤務時間さえ
ちゃんとクリアすれば、自分自身で仕事をコントロールする事が出来るので、本業の社長業をこなしながら
JPBAの仕事も両立することが出来るんです。
ただ、この勤務時間を区切ったり、社員の生活スタイルに合わせて細かくカスタマイズ出来る働き方は、
ミリオンズの社長が会社の成長に合わせて、もう少し先に導入しようと計画していたプランらしいのですが、
コロナの影響で世の中が大きく変わったので、これから先に多くの企業や雇用される側が取り入れたいと思う
未来の働き方を、ウチの会社で先取りして実践してみようかという事になり導入された経緯はあります。
これまでは、8時間労働が当たり前だった一日の勤務時間を、6時間に減らすというのもそのひとつで、
一日2時間減らした分を、どの様に生産性を上げ補っていくかも大きな課題となりました。
一日の中で2時間減らすというのは思っていた以上に大変でしたが、社員みんなで考え取組んで来た結果、
どうしても処理しきれない業務を外注化で補っていく仕組みを取り入れてからは、無駄に使われていた勤務時間がそぎ落とされ、
結果的に自分自身の会社経営と両立出来る様になりました。
私の場合は本業の会社経営との両立に活かせてますが、他の方もこれからの働き方を考えると、かなり参考になる事例とも言えますね。
◆ 業務をオンライン化する事でメリットに感じる事はありますか?
これは会社の仕組みを作る段階でも感じた事ですが、とにかくこれまで常識だった「勤務時間」への固定観念の打破を皮切りに、
外注化を取り入れる事で、自分達にしかできない仕事の絞り込みをしたり、限られた時間の中で業務をこなす上で得意分野を活かしたチーム戦がより必要になったり、
これまで見えなかった物が視える様になりました。その際に互いの仕事の進捗状況や、今日今現在誰がどんな仕事をしているのかもオンラインで確認出来るので、
リアルに同じ事務所の空間で仕事をしている時よりも、仕事仲間がより近くに感じられ理解出来るようになっているのは、実践してみて感じた業務オンライン化のメリットではないでしょうかね。
◆ 逆に業務のオンライン化でデメリットに感じた事はありますか?
右脳左脳という観点でみると、女性は右脳でものごとを捉える傾向って強いじゃないですか。私も最初リモートワークが導入されこの形態で仕事を始めた頃は、
直接言葉を交わすというコミュニケーションが無くなり、凄く物足りなさを感じました。部門ごとのチャットワークを通して業務に必要な情報の伝達や意思の疎通をはかるのですが、
顔を合わす事なく電子的な文章のやり取りで終始することがどうしても慣れなくて「これ相手にちゃんと伝わっているのかな?」「淋しいな。」「ひとりで仕事するのって大変だな。」というのは結構感じていました。
また相手が左脳タイプの方の場合、数字やデータを中心に仕事の話しを進めて来るのですが、これもまた右脳派の私には凄く責められているような感覚になって、
あとはチャットワークでの文章のやり取りでは意思疎通が追い付かず、たまりかねて電話を掛けて直接内容を説明したりしていました。
しかし電話を掛けるという行為は、相手の仕事の手を止めてしまったり、相手の時間を奪っているという行為でもあるので、その辺も踏まえて、同じ社員同士であっても、
お客様への対応と一緒で、極力相手の仕事に支障が出ない様に配慮する事は、私共では共通認識として持っていますが、オンライン化やリモート化の導入など、
これまでの働き方から大きく変わる時、ひと対ひとのコミュニケーションで、デメリットを感じる事は多少なりともあると思います。
◆ ひとりでリモートワークをしているとモチベーションは下がりませんか?
正直なところ、どこの企業さんにも、時間の使い方が上手な人と、上手じゃない人がいるじゃないですか。私の場合はどちらかというと気分で動いたりするところが結構あるので、
そういう意味で、時間の使い方があまり上手じゃないとも言えるんですね。実はそういう個人的なモチベーションの低下だったり、ムラを無くす為の工夫も会社の仕組み作りのなかでされているんです。
社員各自が、一日の中でやるべき業務の内容はGoogleカレンダーの中で共有されていて、誰がいま何をやっているのかはすぐに分かる様になっているのですけど、それを毎月末にまとめて行動内容の集計を取るんですね。
それでこの1ヶ月間で、集客に何時間、管理に何時間とかグラフ化するのですが、集客に掛けた時間が多ければ当然結果も比例して多くなっているはずですが、それが結果として表れていない場合は行動内容の質が問われる訳です。
自分自身では日々しっかり仕事をやっているつもりでも、月毎の行動内容と結果の相関関係を合わせて観る事で、結果が共わなかった行動が、次月の明確な業務内容に修正されていきます。
成果結果に繋がった行動要因、業績を落とした原因の探求。これを毎月繰り返しているうちに、一人で仕事をしているという感覚も無くなって来ますし、日々のモチベーションが仕事に影響を与える事もほとんどありませんね。
◆ 最後に、業務のオンライン化にあたり大切にするべきポイントは何だと思いますか?
基本的にはオンライン上でのやりとりで、大半の仕事は進められますが、先程も少しお話した様に、どうしてもテキストでは伝えにくい時や、助けて欲しい内容が出てきた時には、電話を掛けたりWebミーティングをお願いしたりしますが、
その時にも社員同士だからといって甘える事無く、自分の時間だけでは無く相手の大切な時間を使わせて頂いているという意識を持って、お客様に対するのと同じくらいの敬意と配慮を怠らないというのは、
直接目視で状況を把握出来ないオンライン上だからこそ、大切にしなければならないポイントだと思います。
またそのスタンスというのは、オンライン上であってもお客様へは確実に伝わるんですよね。基本的にお客様に選んで頂き喜んでもらえなければ売上も立たないし、私達も仕事が継続できないので、対外的に表面だけ繕うのでは無く、
社員同士はもちろんですが、誰に対してもその在り方だけは徹底していこうというのは社内で決めてます。
ですから何か迷った時にも「これってお客様の為になるのか?」という視点で話し合い、課題の解決に向けて取組む際も相手への配慮は自然に出来ているしキチンと伝わっているので、関わったお客様は満足度が高いですね。
安次嶺さんインタビューにご協力頂きありがとうございました。これからのご活躍を楽しみにしております。
▽安次嶺実奈子さんプロフィール
・一般社団法人 日本パーソナルビジネス協会 パーソナルビジネス経営コーチ、近光インテリア 代表者
・JPBA沖縄エリア支部長『未来経営』のプロ『労働時間削減と売上アップ』を実現する方法を伝えています。
・創業40年近光インテリア代表 『家族の笑顔が自然と溢れる暮らし空間』を提供しています。
▽一般社団法人 日本パーソナルビジネス協会
https://jpb.or.jp/
▽沖縄の新築デザインカーテン専門店 近光インテリア
https://www.design-curtain.jp/
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