【具志一郎のワーケーションインタビュー】
當山伸一郎氏
◆ワーケーションの前にリモートワークのこと(働く側編)
現在、新しい働き方として「ワーケーション」というスタイルが提案されています。
実際に沖縄で「ワーケーション」というスタイルは可能なのか?を調べるために、ソフトバンクにお勤めで、現在リモートワークをしている當山伸一郎さんにお話を聞いてみました。
―今日はオンライン会議を使ってのインビューです。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
―當山さんはワーケーションてご存じですか?
旅行しながら、旅先で仕事するってやつですよね?
―はい、そうです。沖縄でもワーケーションができるかを調べるために、実際に沖縄でリモートワークをしてる人に、本当に問題なく仕事できるかを聞いてみようと思って、當山さんに連絡しました。
なるほど。ワーケーションのことはよくわからないけど、自分のことだったら、伝えることができるので、大丈夫ですよ。
―ありがとうございます。では早速、當山さんはソフトバンクに勤めてるんですよね?どんなお仕事をしてるんですか?
基本的に営業です。自分の担当のショップさんとコミュニケーションをとりながら、売り上げが上がるためにどうするか?を考えたり、また、現場での困りごとを聞いて、アドバイスしたりしてます。
―もともとは現場でエンドユーザーさんとの対応してたんですよね?
はい、今のポジションの前は現場で直にお客さんの対応をしていました。その経験から、ショップさんと密に連絡をとることの大事さを実感してます。
―今回はリモートワークについてお話を聞きたいのですが、その前に、リモート前はどんな風にお仕事をしてたんですか?
大体、ルーチン的なことは決まってて、朝のミーティングから、新しい商品やサービスのレクチャーを受けて店舗に伝えたりなどがありますね。
それ以外だと、ショップさんの現場にいって視察をしたり、新人スタッフの指導、また、新しい企画の提案などの商談をしていました。
ショップ運営の管理がメインですね。
―ショップの現場には良く行ってたんですか?
いえ、どちらかというとインドア派なんで、あまり行かなかったですね。
あまり、そんな風には見られないですけど。
―リモートワーク(在宅勤務)はいつごろから?
コロナが流行りだした3月からです。
―実際のところ、環境が変わってどうでした?
通勤時間が無くなったのがとても大きな変化でした。
那覇のオフィスに読谷から通ってた頃は、朝、始発バスに乗って2時間、帰りも最終バスで2時間でした。その時間が無くなっただけで、だいぶ、生活に余裕ができましたね。
あと、実は、ぜんそく持ちなので、コロナになってマズいと思いました。
通勤バスにコロナの人が乗ってきたら、俺ヤバいだろって。
もう、死活問題なので、すぐに在宅勤務の申請をしました。
リモートワークになって最初のうちは、会社の人から「いつから出社します?」ってよく言われました。
そのたびに「殺す気か!」って思いましたね。いや、嘘です。
健康面から見ても、リモートワークで助かったと思ってます。
―リモートワークに変わって仕事の変化はありましたか?
ほぼ変わらないですね。
ルーチンワークである朝のミーティングやショップへの連絡は変わらずです。
それ以外でも、メッセンジャーをオンラインでコミュニケーションをとることがメインです。
―リモートワークだと拘束時間ってのはどうなるんですか?
朝は10時からオンラインミーティングがあるので、そこは崩せないです。
終わりはとくに決まってません。
ただ、資料作りで朝までかかったこともありますね。
―オフィスじゃなくて困ったことある?
同僚や先輩に質問ができなかったのがツライです。
正直、一般常識の部分が自信がないので、お客に失礼にあたらないかを、近くに座ってる先輩や同僚にチェックしてもらうことが多かったんです。それを自分で調べるととても時間がかかります。
逆に自分で調べるというリサーチの能力はイヤでも上がってきてると感じてます。
―オフィスじゃなくてよかったことはありますか?
一人だと集中できるってのがあります。
例えば資料を作ってるとき、後ろで聞こえる声に気が取られてしまい、自分の作業が進まないことがよくありました。
集中力がなくて、あっちこっち首を突っ込んでしまって。
ひどいときは、朝、これをやろうと決めたことが、一つも進んでなくて、「俺、今日一日なにやってたんだろう?」って。
リモートになって、そんなのが減ってめちゃくちゃ生産性上がってます。
―となると、会社の同僚もリモートワークしてるんですか?
はい、オフィスにいる人は全体の50%以下じゃないとだめだと聞いてるので、今もやってるはずです。
でも、大切な会議とか、本当に必要な時はオフィスにいって、顔を合わせながら話すこともあります。
そんなに多くないですが。
―ちなみに仕事の成果はどう評価されるんですか?上司は働く姿が見えないのでなかなか難しいと思うんですが。
そこらへんはちょっとわからないです。
ただ、自分の場合、数字は下がってないので評価もそれでしてもらってると思います。
―なるほど、インドア派で集中しやすい環境ということで、水を得た魚のようになってるわけですね。
そうですね。前年比でみても、成果はあがってるので、この働き方が自分にはあってると思います。
SNSなどのコミュニケーションツールで、ショップさんや顧客とダイナミックにやり取りするのが得意なので、自分のスピード感で仕事ができてます。
―リモートワークをしていくうえで、上司の決済が必要な時ってどうするんですか?
基本的にその必要がないように、頭を使ってますね。
自分でどんどん回せることをやるので、決済を求めることはあまりないですね。
かといって、どうしても必要な時は、しっかり連絡を取ってます。
―ちょっとお金について聞かせてください?これまで支給されてた交通費はどうなりましたか?バスの定期代とか。
リモートワークだと交通費はないですね。バスに乗らないので当たり前ですが。
―それでは、インターネットの通信費はどうですか?
今のところ、通信費という形での支給はありません。なので自腹ですね。
ちょっと考えてみると、自宅のクーラー代とか光熱費も増えてますね。家で過ごす時間が長くなったので、どうしても電気代がかかってしまってますね。
―オフィスだと、会社の経費として処理されてた分が、リモートワークの社員、それぞれの負担になってるみたいですね。これについては、坂本社長に聞いてみようと思います。
これまで、気にしてなかったので、自分を知りたいです。
あとで、教えてください。
―最後に県外の人が沖縄でワーケーションってできると思いますか?
はい、リモートワークで生産性があがるのは自分の例でわかってますので。
オンラインの環境が整っていて、それでできる仕事であれば、場所の問題はないと思います。
特にワーケーションという全く違った環境で仕事すると、リフレッシュもできるし、もっと成果が出しやすくなるはず。
後は、新しい仕事の仕方なので、周囲が理解をしめせるかって問題はあるのかな、と思いますね。
―今日はどうも、ありがとうございました。
同じ読谷でも、こんな風にリモート会議サービスでインタビューしてもらって、おもしろかったです。
ワーケーションの取り組み、がんばってください。
【感想】
約1時間のインタビューでしたが、リモート会議サービスで顔を見ながら話してると、あっという間に過ぎていきました。
同じ読谷村なので、実際に会って話を聞くことも可能でしたが、あえて、実際に顔を合わせることなくインタビューに挑戦してみました。
最初だけ声が聞こえないなどの設定調整がありましたが、それが済むと、あとはスムーズにインタビューできました。
地元、沖縄でもリモートワークが進んでいることが確認できました。しかも、當山さんの場合は、生産性が上がるようになったそうです。
誰もがこのスタイルでの仕事というわけにはいかないと思いますが、それで成績があがるというのなら、仮にコロナが終息したとしても、導入する価値はあると感じました。
そして、沖縄ならではの環境を活かしたワーケーションは、実現可能である思います。
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